【2020年 8月11日 LJO】プレオベール首相は11日ロンドン入りし、イギリスのブルースター首相と会談を行った。首相はこれまで会談に関する詳細な言及を控えてきたが、会談後の合同記者会見において今回の趣旨が明らかにされた。
『カムデンプレイス条約』の拡大で一致
カムデンプレイス条約は2010年にイギリスはチズルハーストのカムデンプレイス(フランス帝室の別荘)において締結された、英仏の国防、国家安全保障、外交政策に関連する条約である。カムデンプレイス条約によって英仏の関係は新たな段階に入った。
両国は条約によって合同遠征部隊(CJEF)を設置しただけでなく、共同での兵器開発・核開発の障壁が撤廃され、空母を共有する関係となっている。カムデンプレイス条約は英仏の濃密な連帯関係を切り開くきっかけとなった。
「フランスとイギリスの軍事協力は双方の軍事的なコストを削減することができるという点でも重要な政策だ。カムデンプレイス条約は双方の国防に良いものをもたらしてくれた。」──プレオベール首相
今回の首脳会談でなされた合意では、CJEFの拡大、兵器開発・核開発における協力の再確認という、これまで続けられてきた軍事協力の再確認が基本となるが、新しい試みとして、両国は海外領土における軍事拠点の共有についても合意。今後英仏が協同して海外領土の防衛にあたることを明らかにした。
フランスは海外領土にアファル・イッサやコーチシナを有する。これらは紅海、南シナ海における大きな軍事拠点としても機能しており、その海外領土を対象とした軍事協力はイギリスのアジア回帰政策に対するフランスなりの「回答」と見ることも出来るだろう。
そのほかにも英仏は海外政策に関する幾つかの「重要なコミットメント」を交わした。
対トルコでは、フランスはイギリスと立場を共にし、キプロス問題においてフランスは依然変わりなくイギリスによる事態解決を支持し、協力する姿勢を示した。
プレオベールは今回の会談での成果について、こう総括した。
「英仏協商(Entente Cordiale)の友情は再び蘇り、より強固なものとなった。平和を愛し、世界の発展に寄与し続けてきた我々が再び手を取り合う時が来た。国際情勢は日に日に困難さを増しているが、英仏の連帯によってヨーロッパの、世界の安寧は守られるだろう。」
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