世界の視線は新冷戦を象徴した東南アジアから一挙に東アジアに移った。日本閣僚の乗ったプライベートジェットが消息を絶ち、その飛行機に乗っていたと見られていた閣僚が政府専用機に乗っていたからだ。日本執政(consul)の行方を知るものは誰もいない。
この異常事態を世界の主要国の多くは報じている。日本はもちろん、アジアの韓国、台湾、華国、CASEA諸国のメディアは会合から帰国する途中の事件を速報し、一部では番組スケジュールを切って特番を開始している。
ヨーロッパ各国でも事件の一報は夕方の報道番組に飛び込んできた。多くのメディアは新たな情報を待ち、多くの政治家は未だこの事件に対する公的な声明を控えている。
韓国軍は消息不明のプライベートジェットの付近に戦闘機がいたことを報じた。政府閣僚の乗った飛行機の消息不明、或いは撃墜事件は常に歴史を動かしてきた。華国では49年に新疆(Shinjang)の代表者らが長征に向かう途上、その飛行機が消息を絶つ事件があった。また毛沢東(Mao-Zedong)氏の革命中、氏の右腕であった林彪(Lin-Biao)も飛行機事故に遭い政治生命もろとも絶たれた。
しかし韓国軍の声明はあくまでも撃墜や墜落の可能性を低く見積もるようなもので、華国側への照会を行っているという。
そして、その華国は現地時間で午前3時という深夜に外交部が会見を開くと発表した。日本韓国が事件の当事者として動く中、彼らは何を語るのだろうか。
この非常事態に際して、日本では内政を担う山野辺首席宰相(Yamanobe-Prime Minister)が執政代行に就任し、国家元首の職務を代行した。日本は今、その歴史上最も奇妙な瞬間を迎えている。
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