【2022年 2月15日 LFP】フランス帝国銀行のジョアシャン・ド・ドンゼッリ総裁は、フランスの量的金融緩和策について、何らかの筋道をつけなければ破綻は免れないと警鐘を鳴らした。
ド・ドンゼッリ総裁はクレディ・モビリエの重役出身であり、金融政策に精通していることで知られるが、「経済の回復なくして健全な財政再建は不可能」とする立場のプレオベール首相とは、政策をめぐってたびたびそりが合わない場面に見舞われている。
同氏は14日の会見で、テーパリングの導入の必要性について暗に言及。プレオベール首相の量的金融緩和策について「すでにフランスの市場に対する不安感は危険な領域に突入している。このような臨時の経済対策をいつまでも続けることはできない。」と指摘したうえで「徐々に正常化させなければ、アポカリプス(破滅)はすぐそこにある。」とくぎを刺した。
プレオベール首相は15日、この発言に対して「ドンゼッリ総裁の見解は考慮に値する。われわれの歪みない政策によって、経済は十分に立ち直りつつある。正常化についても当然考えていく」との見解を示し、量的金融緩和の終了を示唆した。一方、テーパリングといった具体的な方策に関する言及は控えた。また、プレオベール首相は会見の最後に、「今週中に具体的な方針を示すことが出来るだろう」と語った。
フランス政府の政策をめぐっては、政府の大胆なインフラ投資や「フランスの強い産業復興計画」をはじめとするさまざまな財政支出によってGDPの高成長を記録した一方、国債発行高が過去最高となっているのに加え、過熱気味の景気がインフレの懸念を呼び起こしており、マーケットからは方針転換を求める声が日に日に強まっていた背景がある。
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