[サンクトペテルブルク-LFP]来月に開催を控えた、第8回極東経済フォーラム(Eastern Economic Forum,EEF)に向けて開催場所のウラジオストクでは徐々に準備が進行している。フォーラムのメイン会場になる東方連邦大学(Far Eastern Federal University,FEFU)の学生は「最近警備員などが増えている。例年通りだ」と語った。
極東経済フォーラムはソヴィエトが2015年から行っている経済フォーラムで、同国の連邦極東管区であるウラジオストク周辺の経済投資を促すイベントだ。例年、清華やムランマーなどのソヴィエトと友好関係にある国の他、日本の樺太・北洲郡の企業や北極海に興味を示す欧州の企業代表なども参加する。
ウラジオストクで取材を進めると、1人の日本人に出会った。リュウザキと名乗る男性は、樺太を拠点に置く企業のビジネスマンだと名乗り「極東経済フォーラムはソヴィエトの非友好国であっても、同国のビジネスに介入する唯一のチャンスだ」と話し「毎年この時期から現地入りするが、今年はいつに増しても警戒しているように感じる。何か違うことがあるのではないか」との見解を示した。
「ウラジオストクの開発は何も経済的なものだけではありません。彼らは日米による"オホーツクの壁"をどのようにしたら破れるのかというところを常に気にかけています」
パリ経済学校(École d'économie de Paris)のフランソワ・アタリ主任研究員はそのように指摘する。
アタリ氏は続けて「ソヴィエトはイヴァノフ政権下で安定を手に入れました。彼らは遂に旧ソ連の負の遺産をある程度精算し、再び外に出る決意をしたのです」と語った。
そして今年の経済フォーラムについて「私は開催時期が気になります。CASEA会合も同じ時期にあるのではないかという中で、彼らは"北の経済連合"としてアピールをするのではないでしょうか」との見解を示した。
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