【2022年3月13日】フランスのシャンブラン無任所大臣は、イスラエルとトルコによる、「北キプロス」での首脳会談が公表されたのに対し、欧州とトルコ・イスラエルとの関係に深刻な亀裂をもたらすだろうと警告した。
イスラエルとトルコの両政府は12日、「北キプロス」のレフコシャにて首脳会談を行うことを明らかにした。
「北キプロス」はキプロス紛争時にキプロス島北部に進駐したトルコ軍の支援によって成立した、いわゆる未承認国家の一つとして数えられる地域だ。国際的にはキプロス島全域の主権は欧州連合加盟国であるキプロス共和国に帰属するという見解がほとんどであり、「北キプロス」の存在を承認する国は現在まで、トルコ以外に存在しない。
首脳会談の発表がなされると、同日のうちに、シャンブラン無任所相は会見でこのことに触れ、
「大きな懸念がある。トルコ・イスラエル両政府の行動は、まったくもって不用意だと言わざるをえない。同地での首脳会談実施は明らかにキプロスの領土の一体性への侵害に加担する行為であり、東地中海の秩序を乱し、ヨーロッパとの亀裂をもたらすことになるだろう。」
「こうした決定が行われた以上、かの国々に対する我々の姿勢は変化させるほかにない。とくに、最近進展をみたイスラエルとの経済協力などは、これらの出来事を踏まえもう一度議論する必要性が生じている状況にある。すべて白紙にもなりうる。」
と懸念を表明、両国との関係縮小を示唆した。
また、「制裁の可能性はあるか」という質問に対し、同相は
「現時点では再考を促す立場だが、もし、敢えて会談が実施された場合、我々はさまざまなアプローチで抗議の意思を表明するだろう。制裁という手段も当然にしてあり得る。『北キプロス』への訪問は、ヨーロッパやフランスとかの国々との間で時間をかけて醸成してきた相互信頼・相互理解の関係に新たな傷を生み、そうなれば、イスラエルやトルコとの経済・外交分野での関係は、ヨーロッパ規模で大幅に後退することになるだろう。」
とした。
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