【2022年2月26日 LFP】26日、フランスの立法院は、政権与党の立案したデジタル課税法案を可決した。これにより、フランスはテック企業に対する独自課税を実施することになる。
デジタル課税法案が提案されたのは、1月中旬のことで、プレオベール首相によるテック企業の税逃れに対する問題提起に端を発する。プレオベール首相は「懲罰的な課税」を計画しているとされたが、実態としては独自課税の領域にとどまった。
同法案によれば、テック企業はその本籍地に依らず、売上が全世界で7億5000万フラン(約933億円)以上、フランス国内で2500万フラン(約31億円)以上あるか、マーケットプレイス事業あるいは広告事業を営んでいる場合、「売り上げに対して」3%の課税が行われる。
加えて、法案には留保事項として、あくまで度を越した節税に対する臨時措置であるとしており、国際的な節税対策・デジタル課税の枠組みが発足し次第、廃止されることが明記されている。
一方で、プレオベール政権下のフランスが自立経済への志向を年々強める中、世界経済をけん引する米国との競合関係が表面化し、外交摩擦に発展するのではないかという懸念も一部からは上がっている。実際、米国政府はすでに一連のフランス政府の動向に不快感を表明している。
同法案は、半年後の8月に施行されるが、政府は「各国の立場如何によっては施行前に法が廃止されることもありうる」としているが、デジタル課税をめぐる各国の先行きは不透明なままだ。
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