【2022年3月30日 LFP】今月25日、フランス立法院は、ジョゼフ=ナポレオン摂政皇太子による勅令が読み上げられ、国歌「勇敢なる民衆への賛歌」の斉唱と共に、解散した。
仏国歌の譜面には「大砲の発射音」が含まれているが、技術的な問題から厳かな場でのみ、完全な演奏が行われる規定となっている。議会においては開会・閉会時、そして解散時に限られているため、パリに響き渡る10発の空砲はまさに国の一大関心事の始まりを象徴しているのである。
プレオベール首相は、今回の選挙で国民投票と高支持率を原動力に議席の大幅増を狙う戦略であったが、選挙始まって早々に難局に直面している。
LFPが調査会社OFPSと共同で実施した世論調査によれば、与党を合計した支持率はことし初めの48パーセントから40パーセントまで下落している一方、最大野党の民主党(支持率18パーセント)や極左派のレジスタンス党(支持率7パーセント)がそれぞれ支持率を急伸させている。
与党「人民への訴え」は支持率32パーセントで他党を大きく引き離しているが、選挙協力の関係にある連立政党が人気を低迷させていることにいら立ちを隠せない一方、連立政党の側からもAP離れとみられる動きが広がっている。
プレオベール政権発足時から連立政権を支えてきた「新緑の党」(FV)のロドルフ・プリュドム代表は28日、自身の集会でプレオベール政権の原子力重視のエネルギー政策や、環境への消極姿勢を強く批判したことが話題となった。
同じく連立政党で、議席としてはAPに次ぐ社会党でもAP批判の動きがある。下院代表のポリーヌ・ガイヤールは、APが行っている首相候補予備選挙に対し「安い茶番劇だ。AP単独での予備選は連立政党をまったく軽視しており、我々の信頼関係にひびを入れることになるだろう」と苦言を呈している。
こうした情勢の中、APは支持率を取り戻すべく、4月1日の予備選終了以降、連日にわたって大規模集会を実施する方針を示した。プレオベール首相は「フランスを安定に導くために、何としても単独過半数を取らなければならない」と意気込んでいるが、予想外の逆風選挙にたじろいでいることは間違いない。
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