彼らの目つきはまさにハンターそのもの。清華の首都長征市にある、同国最大規模の常設骨董市"潘家園旧貨市場"はここ数年、清華国内の好事家のみならず、世界各国から多くの観光客が訪れるディープな観光地に変容しつつある。
「最近は専ら欧米系のお客様が相手ですよ。彼らは本当に欲しいと思ったものにはいくらでもお金を出しています」と語るのは、潘家園で20年以上骨董商を営む李さん。彼の営む店は古代から中世紀にかけての陶磁器などを専門に扱っており、彼が仕入れた陶磁器目当てに国家機関の文化職員も訪れるという、非常に目利きの優れた店として知られている。
彼らのように潘家園市場の中にお店を設けて営業する形態では、価格帯が高価な分優れた骨董を探すことが可能だ。
一方、潘家園には露天商として営業するお店も多くある。こちらは魚龍混雑で、まさに掘り出し物を見つけようと観光客が地元の好事家に混ざり一つ一つ丁寧に目利きしている。
「最近毛沢東主席の時代のものが、観光客相手にも比較的人気ですね」と話してくれたのは露天商を営む楊さん。楊さんの店では毛沢東時代に作られた多くの像章などを取り扱っている。
「1枚あたり1ドルで、デザインもたくさんある。どれを見ても全く見飽きないよ!」と語るのはアメリカから来たというウィリアムさん。元々ペルシア系の骨董などから興味を持ったという彼の手には、他のお店で買ったであろう、アラビア語も併記された毛沢東時代のポスターが握られていた。
潘家園旧貨市場の取り組みについて、市場の総経理を務める蔡さんは「外国の観光客も楽しく買い物できるように、漢語以外に英語などを併記したり、周辺の大学で英語などを学ぶ大学生をボランティアとして雇っています。また質の悪い偽物などを多く扱う店などがあった場合は、速やかに対応するようにしています」と語る。
潘家園は日々進化しながら、今日も掘り出し物を探す多くの"ハンター"を受け入れる。
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